復活のSOPHIA コロナ禍、表現者として立ち上がる

活動を再開したSOPHIAのボーカル、松岡充=大阪市北区(南雲都撮影)
活動を再開したSOPHIAのボーカル、松岡充=大阪市北区(南雲都撮影)

今年10月、9年ぶりに活動を再開した5人組ロックバンド「SOPHIA(ソフィア)」。再開する大きなきっかけは新型コロナウイルス禍だった。社会が先の見えない閉塞(へいそく)感に包まれる今、ボーカルの松岡充が「表現者として立ち上がるべきだ」と決意し、メンバーに働きかけたという。来年1月には大阪城ホール(大阪市中央区)でライブを開催し、「帰還」を果たす。

「ただいま!」

平成25年の夏、活動休止前の最後のライブで「必ずまた会おう」とファンに約束した地である日本武道館(東京都千代田区)。今年10月11日に行った復活ライブは、待ちわびていたファンの歓喜に包まれた。

ステージに5人で登場し「ただいま!」と叫ぶ松岡に、客席から大きな拍手が返ってきた。松岡は「こんなに待たせてしまったのに、たくさんの方が熱量を持って集まってくれた。感謝しかない」と振り返る。

SOPHIAは7年にメジャーデビューし、全都道府県ツアーを行うなどライブを中心に活動していた。

22年、キーボードの都啓一が悪性リンパ腫と診断される。「ステージ4」の状態から奇跡的に寛解したが、メンバーが命にかかわる病気になったことをきっかけに、他のメンバーも自分の人生と向き合う時間を取りたいと思うようになったという。

「一人でも欠けたら、それはSOPHIAではない」。松岡はそう考え活動休止を決めたが、「メンバーがバンドをやりたくなったときのために」と、ギターの豊田和貴らと新バンド「MICHAEL(ミカエル)」を結成し、5人が再びそろう日を待った。

松岡はミュージカルに精力的に取り組むなど、活動の幅を広げていく一方、SOPHIAのメンバー内で再開の機運は高まらず、月日は流れていく。「このままSOPHIAは終わってしまうのではないか」と思い始めた。

ファンと約束

SOPHIAの活動休止中、ミュージカルに精力的に取り組んだ松岡充。「ボーカリストとして大きい体験だった」と振り返る=大阪市北区(南雲都撮影)
SOPHIAの活動休止中、ミュージカルに精力的に取り組んだ松岡充。「ボーカリストとして大きい体験だった」と振り返る=大阪市北区(南雲都撮影)

気がかりだったのは「また会おう」と、ファンと交わした約束の存在だ。そんなときに社会を襲ったコロナ禍。松岡は「エンタメは生きる力になる。今こそファンに応えるときだ」と、待つのをやめた。

メンバーには何も告げず、今年2月に「松岡充」の名義で10月11日の日本武道館を押さえた。「もしSOPHIAとしてライブをできなくても、松岡充としてやる」。そう覚悟を決め、メンバーひとりひとりと会って話し合った。

長く会っていないメンバーもいたが、20年近く苦楽を共にした仲間とはすぐに通じ合えた。全員が「一緒にやろう」という結論にたどり着いた。

松岡をはじめ、メンバーのほとんどは関西出身。「デビュー前から大阪の方に支えられた。復活を遂げるには、大阪にも帰らないと」と語り、大阪のライブは「「SOPHIA LIVE 2023 “return to OSAKA”」と銘打つ。

活動休止中、メンバーはそれぞれがSOPHIAとして生きた時代の大きさをかみしめていた。松岡は「彼らもまた葛藤し、悩み、苦しんでいたと知りました。9年という時間は今思えば必要だった」と振り返り、こう語る。

「その分、以前よりパワーアップしていると思います」(藤井沙織)

SOPHIA LIVE 2023 “return to OSAKA”

は来年1月8日、大阪城ホールで午後6時開演。1万1000円(全席指定)。チケット発売は12月3日から。問い合わせはキョードーインフォメーション(0570-200-888)。

会員限定記事会員サービス詳細