日本、決勝T進出 東京五輪組「借り返した」

【サッカーカタールW杯2022 日本代表対スペイン代表】 スペイン戦に勝利し、笑顔を見せる三笘薫(左)と田中碧 =1日、ハリファ国際競技場(蔵賢斗撮影)
【サッカーカタールW杯2022 日本代表対スペイン代表】 スペイン戦に勝利し、笑顔を見せる三笘薫(左)と田中碧 =1日、ハリファ国際競技場(蔵賢斗撮影)

サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会で1次リーグE組の日本は1日(日本時間2日早朝)、最終戦でスペインと対戦し、2―1で破る金星を挙げ、16チームで争う決勝トーナメントに進出した。

試合終了のホイッスルがピッチに鳴り響くと、同点ゴールを挙げた堂安(フライブルク)は拳を握り、決勝ゴールを押し込んだ田中(デュッセルドルフ)とアシストした三笘(ブライトン)は芝生に寝転んで抱き合った。強豪スペインを逆転で破り16強入り。堂安は「大きな壁を乗り越えた」と胸を張った。

3人で歓喜の扉をこじ開けた。1-1で迎えた後半6分、堂安が右サイドから上げた相手GKの前を横切る鋭いクロスに、三笘が目いっぱい左足を伸ばした。「1ミリでも(ラインに)かかっていれば」とゴールライン間際から折り返すと、そこに田中が飛び込み、決勝点をねじ込んだ。

逆転の呼び水になった後半3分の堂安の同点ゴールも鮮やかだった。三笘と前田大然(セルティック)が連動したプレスをかける中でこぼれ球を拾うと、利き足の左足を迷いなく振り抜いた。GKの手をはじきとばす強烈なシュートをネットに突き刺した。

昨夏の東京五輪準決勝では、スペインのパス回しに翻弄された。0-0で粘っていた延長後半、アセンシオに左足で決勝点を奪われ、決勝進出を阻まれた。「借りを返す」が、3人を含め、五輪代表組に共通した思いだった。

後半12分、そのアセンシオが投入された。五輪世代の板倉滉(ボルシアMG)の脳裏には五輪の記憶がよぎったという。「左足でやられたのは今でも忘れていない。絶対にやらせない」。自在に動くレフティーをチーム全体でしつこくマークした。44分に浴びた強烈な左足のミドルは、GK権田修一(清水)がはじき、危機を脱した。

高精度のパスサッカーを誇る〝無敵艦隊〟に押し込まれても、板倉は「ある程度(ボールを)持たれるのは想定内」と動じなかった。先制点を許した後も焦らず、慌てず、耐えて耐えて勝機を探った。ピンチには体を張って相手のシュートを止めるなど、勝利への気迫を感じさせた。

長い、長い、7分間のロスタイムの末に勝利をつかんだ。〝あの夏〟から1年4カ月。成長したプレーで悔しさを晴らした瞬間だった。田中は「五輪の借りは少し返せたかな」と、静かに喜びをかみしめた。

優勝経験国のスペイン、ドイツを破り「死の組」を1位で通過した。目標の8強を目指し前回準優勝のクロアチアと対戦する。「目指しているのはここじゃない。まだまだここから新しい歴史を作っていきたい」と板倉。まだ見ぬ景色へ突き進む。(ドーハ 川峯千尋)

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