新型コロナウイルス対策の行動制限が今年3月に解除されて半年以上がたち、消費の現場に大きな変化が生じている。百貨店では富裕層を中心に我慢していた高額商品の買い物を再開する動きが広まる一方、飲食品などの生活必需品を売るスーパーマーケットでは物価上昇の影響で買い控えが表面化しつつある。「二極化」ともいえる現象の背景を探ると、コロナ禍に翻弄されながら所得格差が拡大してきた実態が浮き彫りになる。
50兆円超の「強制貯蓄」
「コロナ前でもこんなことはなかった」
10月19日、大阪市内の百貨店でいち早くお歳暮商品の販売を始めた、あべのハルカス近鉄本店(同市阿倍野区)の営業担当者は目を見張った。