ニューヨークに住む男が妻を殺害し、愛人の協力を得てアリバイを作り上げる。ところが、思わぬ事態が発生して…。1960年に雑誌に発表された短編小説が、日本でもファンが多いテレビドラマシリーズ「刑事コロンボ」の原型となる。
▼刑事が主人公となるよう脚本が書き換えられて、8年後に放映されたのが第1作の「殺人処方箋」だった。社会的地位の高い犯人が完全犯罪をもくろむものの、風采が上がらずさほど優秀そうでない刑事にアリバイを見事に崩される。
▼コロンボ刑事の名セリフがシリーズの特徴をよく言い表している。「犯人は頭がよくても殺しには素人ですからね。ところがあたしらにとって殺しって奴(やつ)は仕事でしてね」