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「サイレンは命のために鳴らしています」 熊本市消防局の啓発動画が反響

119番の通報を受け現場へと急行する救急車。ところが、通報者から「サイレンを鳴らさないで来てほしい」との要望が増えている現状をふまえ、熊本市消防局が緊急時のサイレンの必要性を訴えて制作した啓発動画が、反響を呼んでいる。同市消防局の担当者は「(サイレンは)安全に搬送するため、市民の方に理解をいただくために(動画を)制作した」としている。

実際の通報を元に再現

「No Siren,No Ambulance.~サイレンは命のために鳴らしています~」というタイトルの動画は約3分間で、同市消防局情報指令課が制作。実際にあった通報の内容を元に同課が〝再現〟した。動画の冒頭では、通報者の女性と指令員との電話のやり取りの再現シーンで始まる。電話での主なやり取りは、以下の通り。

指令員「はい、119番です。どうされました?」

通報者「あの~、救急車って、サイレン鳴らしますよね?」

指令員「はい?」

通報者「いや~、鳴らさないで来てほしいんですけど」

指令員「いま、どんな症状がおありですか?」

通報者「ちょっとお腹が痛くて…」

指令員「救急車お向けしますから、住所教えてください」

通報者「サイレン鳴らさないで来てもらえますか」

指令員「サイレンはですね、一刻も早く安全に現場に向かうために必要ですので」

通報者「あ~、じゃあ、自分でいこうかな」

指令員「もし行っている途中にですね、悪化したりすると危ないですから」

通報者「(指令員の声を遮るように)お父さん、病院連れてって!」

指令員「もしもし」

通報者「あ、もう大丈夫です。どうにかします」(通話が切れる)

動画では再現シーンの後「交通事故を未然に防ぐため、通報内容に関わらずサイレンなどを使用し、周囲の車両や歩行者に注意喚起を行うことは必要不可欠です」などとテロップを出した上で、サイレンを鳴らす必要性を訴えている。

動画投稿サイト「ユーチューブ」に動画が11月9日に公開されて以降、11月30日時点で2万1000件を超える視聴があった。また、同市消防局の公式ツイッターにも動画が投稿されている。

道交法でも義務付け

道路交通法施行令には、救急車などの緊急自動車について「サイレンを鳴らし、かつ、赤色の警光灯をつけなければならない」と定められており、法律上もサイレンを鳴らすことは義務付けられている。

熊本市消防局によると、今年10月に寄せられた救急要請3385件のうち、約150件は「サイレンを鳴らさないでほしい」という要望で、「特に夜間の時間帯に(要望が)多い」(担当者)という。

同市消防局の担当者は、「夜間の運行は人の飛び出しなど危険性が高く、救急要請があった方に対して安全に早く行くためにはサイレン(を鳴らすこと)が必要」と話している。(浅野英介)

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