【北京=三塚聖平】中国の江沢民元国家主席の死去から一夜明けた1日、習近平国家主席をトップの主任委員とする葬儀委員会は、江氏の追悼大会を6日に北京市の人民大会堂で開催すると発表した。慣例により追悼行事に外国の政府や政党関係者を招待しない。各国にある在外公館での弔問は受け付ける。
中国国内では追悼ムードが広がっており、北京市内では天安門や人民大会堂などに半旗が掲揚された。中国共産党機関紙、人民日報など中国の主要紙は1日、江氏の訃告と遺影を1面で大きく掲載した。共産党、国務院(政府)、中央軍事委員会などの連名による訃告は、江氏を「偉大なマルクス主義者」や「軍事家」などとたたえた。
普段はカラー写真を1面に掲載している新聞も、弔意を示すため白黒となった。中国政府機関のホームページや、アリババ集団のインターネット通販「淘宝(タオバオ)」など民間企業のスマートフォンのアプリも白黒の表示になった。
北京など中国各地では現在、習指導部が掲げる「ゼロコロナ」政策への抗議活動が広がりを見せている。当局は、江氏の死去で抗議活動が盛り上がるといった不測の事態を避けるため、警戒を強めているとみられる。江氏が国家主席を務めていた時代は、現在より自由な発言が認められていたという認識が存在するためだ。一部には江氏の追悼活動を行おうとする声もあるが、当局が公式の追悼行事以外の活動を封じ込める見通し。