フィギュアスケートの2010年バンクーバー冬季五輪男子代表の織田信成氏(35)が、陰口などのモラルハラスメントを受けて関西大アイススケート部の監督辞任に追い込まれたとして、同部の元コーチの浜田美栄氏(63)に1100万円の損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が1日、大阪地裁であった。
織田氏が出廷し、尋問で「(モラハラで)リンクに行くのが怖くなって嫌になり、つらかった」と証言。浜田氏も出廷し「モラハラは一切ない」と否定した。松本明敏裁判長は判決期日を来年3月2日に指定した。
織田氏はスーツ姿で出廷。練習していたリンクで危険な滑走があったと注意すると、浜田氏から激しく抗議されるなどして「不安になり夕方になると涙が止まらなかった。限界だった」と訴えた。浜田氏は、関西大が設置した調査委員会でもモラハラなどの問題行為は一切認定されなかったと強調。織田氏が提訴したことで名誉を傷つけられフィギュア界にも動揺や困惑が広がったと批判した。