記録的な円安ドル高基調が続く外国為替市場で、「ミセス・ワタナベ」と呼ばれる、個人の外国為替証拠金取引(FX)投資家の動きが活発化している。9月には個人によるドル円取引額が単月として初めて1千兆円を突破しており、政府による為替介入などによって市場の値動きが大きくなる中で利益を得ていたとみられる。一方、間口が広がるにつれて「簡単に稼げる」などといった認識で安易に取引を始める人も増加しており、専門家は警鐘を鳴らしている。
円安で取引活発に
「誰でも月30万円稼げる方法」「1カ月で資産が2倍に」-。今年に入り、交流サイト(SNS)やインターネットの動画サイトなどには、こうした文言で個人にFX投資を勧める投稿が増加している。背景にあるのは、為替市場で急激に進行した円安ドル高による、投資への注目度の高まりだ。