コスタリカ戦欠場の冨安が復帰へ「決勝トーナメント1回戦のつもりで」

ドイツ戦の後半、相手と競り合う冨安(左)=11月23日、ドーハ(共同)
ドイツ戦の後半、相手と競り合う冨安(左)=11月23日、ドーハ(共同)

サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会で1次リーグE組の日本は、1日午後10時(日本時間2日午前4時)から、決勝トーナメント進出を懸けて強豪スペインと対戦する。勝てば突破、負ければ敗退という背水の戦いで、冨安健洋(アーセナル)が2試合ぶりに戻ってくる。右太もも裏の違和感でコスタリカとの第2戦を欠場したが、「決勝トーナメント1回戦のつもりでやれれば」と大一番へ気合を込める。

福岡県出身の冨安は、J1福岡の下部組織からトップチームに昇格。シントトロイデン(ベルギー)、ボローニャ(イタリア)を経て、昨季からイングランド・プレミアリーグの名門アーセナル(イングランド)でプレーする。

福岡ジュニアユース時代に監督を務めた藤崎義孝さんは「サッカー少年がそのまま大きくなったみたい。(米大リーグ・エンゼルスの)大谷翔平選手によく似ているのかなと感じる」と笑う。

朴訥(ぼくとつ)ながら、温和な人柄に誘われてか自然と周囲に人が集まり、誰もが応援したくなるような中学生だった。練習には最初に来て、最後にグラウンドを後にする。多くの選手が乗るスクールバスではなく、両親の送迎だった冨安は「早く来ているので準備しますね」「時間があるから片付けておきます」と率先して雑用を引き受けたという。

恵まれた体格にスピードを兼ね備え、両足のキックも正確。身体能力もサッカーの技術もすべてがハイレベルな万能選手だった。藤崎さんは「日本代表や海外でプレーできる選手に近づけないといけない。責任感があった」と振り返る。将来は日本代表のセンターバックにと青写真を描き「360度の視野を確保する必要がある」(藤崎さん)とあえてボランチで起用した。

冨安は6月に里帰りした際、中学生の後輩たちを3日間指導。本人の希望で半年がかりでメニューを練って実現したもので「僕になるのではなく、僕を超える選手が出てきてほしい」などと熱く語ったという。恩師は「今、アーセナルで大事だと思ってることを伝えてくれた。親身になって伝えているのが分かった」と成長を遂げた教え子の姿に目を見張る。

前回ロシア大会に続いての1次リーグ突破が懸かるスペイン戦。日本の守備のキーマンが世界屈指のパスサッカーに立ち向かう。(大石豊佳)

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