新型コロナウイルスの感染症法上の分類について、政府が結核と同じ危険度の「2類」相当から見直す方向で調整を始めた。現在主流のオミクロン株は季節性インフルエンザより重症化リスクが低いというデータもあり、見直しは患者に厳格な対応が求められた医療現場の逼迫を防ぐ狙いもある。これまでは感染が再燃するたびに見直し論が尻すぼみとなってきたが、政府は流行「第8波」が広がる中でやり遂げられるか。
加藤勝信厚生労働相は27日のフジテレビ番組で、今国会で審議中の感染症法改正案に分類の在り方を「早期に検討するという規定が入っている」と紹介したうえで、「それにのっとって対応していきたい」と言及した。季節性インフルと同じ5類に引き下げるかどうかは「致死率や重症化率などの重篤性、感染力、ウイルスの変異。こういったものを考えながら判断する」と語った。
政府が分類引き下げに動き出したのは、岸田文雄首相が掲げる「オミクロン株の特性を踏まえた感染防止と経済社会活動の両立」を本格的に進めるためだ。