〝日本の心臓〟守田、スペイン撃破へ「100%出す」 サッカーワールドカップ第3戦

コスタリカ戦の後半、攻め込む守田(手前)=11月27日、アルラヤン(共同)
コスタリカ戦の後半、攻め込む守田(手前)=11月27日、アルラヤン(共同)

サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会で1次リーグE組の日本は、1日午後10時(日本時間2日午前4時)から、決勝トーナメント進出を懸けて強豪スペインと対戦する。豊富な運動量を誇り、ボール奪取力と戦術眼にも優れる守田英正(スポルティング)は大学入学当初、守備に興味を示さない典型的な司令塔タイプだった。遠藤航(シュツットガルト)とともに今や日本の「心臓」とも呼べるボランチは「試合が始まるまでにやることを徹底し、それに対して全員が肯定的に考えて表現するだけ」と大一番へ闘志を燃やす。

大阪府高槻市出身。地元の金光大阪高時代は全国的には無名だったが、進学した流通経済大で素質を開花させた。

指導した中野雄二監督(60)に言わせれば「守備なんか全然しない、ボールを持ったら頑張るタイプだった」。攻撃的MFとして強豪の門をたたいたが、「とにかく(プレー中の)姿勢がよかった。守備をベースに使った方が将来生きる」と判断。ボランチやセンターバック、サイドバックで起用した。

プライドの高い選手なら受け入れがたかったはずだが、守田は違った。「こちらの意見を取り入れられる。自信を持ちながらも頭は柔軟だった」と中野監督。あまりの変貌ぶりに高校時代を知る人から「あの守田だよね?」と驚かれることも多かったという。

厳しい環境にあえて飛び込み、実力を磨いてきた。関西の有力大学から誘いもあった中で流通経済大を選んだのは、高校時代に千葉・流通経済大柏高に大敗した経験から。「同世代にこんなにすごいやつらがいる。プロになるには大学の段階で上回らないといけない」と厳しい競争が待ち受ける強豪への進学を決めた。

大学卒業時にはJリーグの複数のチームから勧誘があったが、同じポジションにブラジル人の不動のレギュラーがいる川崎を選択。「試合に出られないぞ」と忠告した中野監督に、守田は「絶対にポジションを取ります。取れなければ日本代表に入れないし、プロになる意味もない」と強気に言い放ち、宣言通り1年目からボランチの定位置を奪取したという。恩師は「チャレンジしたい、そこに飛び込もうという彼の本質がある」と舌を巻く。

華麗なパスワークを誇るスペインとの一戦。中盤でコンビを組む遠藤は右膝のけがで出場が危ぶまれているだけに、守田の攻守両面での働きが勝敗のカギを握る。コスタリカとの第2戦でW杯初出場を果たした27歳は「W杯の難しさは感じたけど、自力で1位突破を決められるのはうれしいこと。僕たちが持っている力を100%出す」と言い切った。(大石豊佳)

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