ドイツのエネルギー大手ユニパーは11月30日、ロシア政府系企業ガスプロムが天然ガスの輸送量を削減したことで損害を被ったとして、損害賠償を求めて国際仲裁裁判所に提訴したと発表した。契約していた輸送量を削減されたことにより割高な代替調達を余儀なくされ、損害は116億ユーロ(約1兆6600億円)に上ると主張している。
ガスプロムは6月以降、ロシアとドイツを結ぶ海底パイプライン「ノルドストリーム」によるガス輸送を大幅削減し、8月末に完全に停止した。
ユニパーによると、現在も代替調達が行われており、費用は2024年末まで増え続ける見通しだという。
タス通信によると、ガスプロム側は提訴を受け「契約違反と損害賠償の請求の正当性はない」と主張している。
ユニパーは22年1~9月期決算で約400億ユーロの赤字となった。ドイツ政府は9月、経営難に陥ったユニパーを国有化すると発表していた。(共同)