山梨県警などは30日、観光シーズン中の富士山噴火に備え、同県富士河口湖町の観光名所から、湖の対岸に船で外国人観光客らを避難させる訓練を実施した。噴火や火山灰による交通渋滞や道路の寸断を考慮し、船を活用した避難が有効だと判断。地元の消防や観光団体を含む約210人が訓練に参加した。
訓練は2合目付近で中規模噴火が発生し、溶岩流が町に近づいていると想定。県警職員が観光客役の住民約60人を英語やポルトガル語で船へ誘導した。船上では、県警や消防、専門家らによる現地合同調整会議も開催し、住民の避難場所や町の被害状況を共有した。
県富士山科学研究所の藤井敏嗣所長は「船は交通状況に影響されず臨機応変に対応できる。訓練を積み重ねるのが大事だ」と評価した。