日本の1次リーグ突破、勝ち点以外で決着も 得失点差やフェアプレーポイント

スペイン戦に向け調整する冨安健洋(右から2人目)ら日本代表=29日、ドーハ(共同)
スペイン戦に向け調整する冨安健洋(右から2人目)ら日本代表=29日、ドーハ(共同)

【ドーハ=奥山次郎】サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会で、日本にひりひりするような局面が訪れた。目標に掲げるベスト8以上の前提となる1次リーグ突破は、12月1日に行われる最終第3戦の日本対スペイン、コスタリカ対ドイツ両試合の結果次第で、勝ち点以外の争いに持ち込まれる。大きな節目で勝ち点以外の差に泣き、笑ってきた日本サッカー界をカタールで待ち受けているのは悲劇か、それとも歓喜か。

1993年10月、日本中が悲嘆に暮れた。カタールで行われた94年W杯米国大会アジア最終予選の最終節イラク戦で、勝てばW杯初出場だった日本は後半ロスタイムに痛恨の同点ゴールを浴び、韓国と勝ち点で並んだ末に得失点差で涙をのんだ。世にいう〝ドーハの悲劇〟。ピッチ上で無情の笛を聞いた選手の一人が、日本の森保監督だった。

およそ3年後の96年アトランタ五輪でも悲劇に見舞われた。68年メキシコ五輪以来の出場となった日本は、1次リーグ初戦でブラジルを下す快挙を成し遂げる。〝マイアミの奇跡〟と呼ばれる栄光ばかりに目はいきがちだが、最終的には3チームが勝ち点で並び、得失点差で日本が1次リーグ敗退を喫している。

一方、前回ロシア大会は1次リーグ3試合を終えてセネガルと勝ち点、総得点で並んだ上に直接対決もドローだった。最終的には退場や警告の数で決まるフェアプレーポイントで、日本がセネガルを上回って1次リーグを突破した。

今大会も1次リーグ突破は勝ち点以外に委ねられる可能性が出てきた。日本はスペインに勝てば突破で、負ければ敗退。勝ち点以外の勝負になりえるのは引き分けた場合で、ドイツがコスタリカに勝つと勝ち点で並んでスコアが命運を分ける。第2戦を終えた日本とドイツの得失点差は日本の1点リードで、ドイツが2点差以上で勝てば引っくり返る。日本にはコスタリカ対ドイツ戦の動向をにらみながら、戦い方を選択する必要も出てきそうだ。

対戦カードの力関係を考えると、日本は引き分けても大健闘で、ドイツは順当にいけば勝つ可能性が高い。「ドーハの悲劇をドーハの歓喜に変えられるようにしたい」と誓って決戦の地へ乗り込んできた森保監督。29年越しとなるリベンジの思いを胸に、スペインとの大一番に臨む。

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