江沢民氏死去

20年前にトキ贈呈 国内繁殖に道筋、いまや150羽超に

中国から贈呈されたトキの「友友(ヨウヨウ)」(左)と「洋洋(ヤンヤン)」 =平成11年2月(佐渡トキ保護センター提供)
中国から贈呈されたトキの「友友(ヨウヨウ)」(左)と「洋洋(ヤンヤン)」 =平成11年2月(佐渡トキ保護センター提供)

江沢民元国家主席は平成10年に国賓として来日した際、日中両国の歴史認識を巡って厳しい姿勢を貫いた一方、日本国内で絶滅の危機にあったトキの贈呈を約束し、その後の国内繁殖の道筋をつけた。

江氏が来日した10年11月時点で、国産のトキは、佐渡トキ保護センター(新潟県佐渡市)で保護・飼育されていた雌の「キン」1羽だけ。江氏の来日を前に、新潟県の平山征夫知事(当時)は中国を訪問し、「キンが生きているうちに支援をお願いしたい」と貸与を要望していた。

江氏がトキの贈呈を表明したのは、皇居で行われた上皇ご夫妻とのご会見の席上。それまでに貸与は2回あったが、贈呈は初めてだった。トキの写真を示しながら説明する江氏に対し、上皇さまは「国民が大変喜ぶと思います」と謝意を伝えられた。

1998年11月、宮中晩さん会で、天皇陛下(現上皇さま)のお言葉に答辞を述べる中国の江沢民国家主席=宮殿・豊明殿
1998年11月、宮中晩さん会で、天皇陛下(現上皇さま)のお言葉に答辞を述べる中国の江沢民国家主席=宮殿・豊明殿

翌11年1月、雄の「友友(ヨウヨウ)」と雌の「洋洋(ヤンヤン)」のペアが佐渡に届けられた。同年5月には2羽の間にひなが誕生し、国内で初めて人工繁殖に成功。現在、国内で飼育しているトキは150羽以上に増えている。

国賓での来日時、江氏は近代中国の文豪、魯迅が留学していた仙台市も訪れ、魯迅の孫と対面。北海道では花卉(かき)農家や牧場にも足を運び、寒冷地の大規模農業の現状を視察した。

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