日の丸半導体、再生急務 TSMCとも協力を

半導体世界大手、TSMCが大阪市に開設する新拠点=大阪市中央区
半導体世界大手、TSMCが大阪市に開設する新拠点=大阪市中央区

半導体世界大手、台湾積体電路製造(TSMC)が12月1日、半導体設計をサポートする新拠点を大阪市内で稼働させる。国内の半導体産業はこれまで衰退の一途をたどってきた。中国などに対する経済安全保障の観点から、TSMCとも力を合わせつつ、国内の半導体産業の再生をはかることが急務だ。

日本は官民で半導体産業強化を進めている。11月にはトヨタ自動車やソニーグループ、NTTなどの日本を代表する大手企業が、次世代半導体の国産化を目指す新会社「ラピダス」を設立。5年後の次世代半導体の生産開始を目標に政府も700億円の補助金支給を決定した。日米が連携する次世代半導体の研究開発組織も年内に設置される。

経済産業省によると、日本の半導体産業は最盛期の1988年に世界シェアの50・3%を占め、NECや東芝、日立などの日本企業が売上高上位に入っていた。ところが日米貿易摩擦を機に90年代からは下降の一途をたどり、2019年にはシェア10%にまで低下。米中貿易摩擦や台湾有事への経済安全保障の観点からも国内の半導体産業再生が急がれる。

半導体産業の経営戦略に詳しい早稲田大大学院の長内厚教授は「ウクライナ侵攻で民生用のドローンが使われていることからも分かるように、半導体の不足は経済だけでなく、国の安全保障にかかわる」と指摘。現在、最先端の半導体の生産技術を持つのは台湾と韓国だけといい、「米国も生産をアジアに頼っていた影響で日本と同じ課題を抱えている」と話す。

そんな中でTSMCが工場新設や設計拠点を日本国内に開設していることについて「歓迎すべきことだ。協力相手として日本の半導体産業を盛り上げていかないといけない」としている。(桑島浩任)

会員限定記事会員サービス詳細