「正義だ」逮捕3日前に強弁も…「みんなのたまご」峯岸容疑者、発足直後からトラブル

逮捕され、池袋署に入る運営会社「G-PEX」社長の峯岸妙光(本名・峯岸正治)容疑者=30日午後、東京都豊島区(関勝行撮影)
逮捕され、池袋署に入る運営会社「G-PEX」社長の峯岸妙光(本名・峯岸正治)容疑者=30日午後、東京都豊島区(関勝行撮影)

「正義でやっているんですよ」。卵を買うだけで報酬を得られるとうたう、ねずみ講式会員システム「みんなのたまご倶楽部」を運営したとして警視庁と福岡県警に逮捕された峯岸正治容疑者(58)は、逮捕直前の11月27日、札幌市で開かれたセミナーで会員らを前に強気の姿勢を崩さず熱弁を振るっていた。だが、報酬の支払いや卵の配達が滞るトラブルは発足直後から絶えず、会員らの不信感は高まっていた。

この日のセミナーでも会員らからは、トラブルへの質問が相次いだ。「卵はすぐに届かない。親鳥を用意しないと。半年後じゃないと届かない」「(支払いの滞りは)全部ポイントをつける」。峯岸容疑者は苦しい説明を強いられ、捜査当局や元会員への恨み節も漏れた。

「栄養価の高い卵」。峯岸容疑者は、こう説明して会員の輪を広げていっていたとされる。卵90個を月に1万3900円で購入すると毎月2万5千円の配当が得られるシステムだとして、その安定性を強調。卵の商品代金1万3900円のうち1万円が広告宣伝費で、各会員に分配する「報酬」としていた。

入会金として集めた1人1万円は、新規会員獲得の「軍資金」だと説明。会員数が3125人に達すれば新たに募らないとうたい「ねずみ講とは一線を画す」「破綻はしない」などと豪語していた。

さらに、新規会員を1人紹介すれば24万円を得られるとして「(政府の新型コロナ対策の)持続化給付金みたいなものだ」「母子家庭を支援する」などと、知人らの勧誘を促した。

元会員の男性(78)も知人ら7人に勧めた。だが、会員規約や卵の購入に関する契約書などもなく疑問に思ったという。峯岸容疑者に問いただしても「卵を買いに行くのに、そんなものはいりますか」とはぐらかされた。

ずさんな運営で、ねずみ講式システムの破綻は目に見えていた。卵の原価は15円ほどだったとみられているが、それでも上位の会員しか報酬を受け取れなかった。

その結果、昨年10月の発足からわずか1カ月後の11月には、報酬の遅配といった〝苦情〟が、国民生活センターに相次いだ。「よく考えれば破綻するシステムだというのは分かった。甘い話に乗ってしまった」。7人を勧誘した男性は悔やんだ。(橘川玲奈、内田優作)

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