中国「軍民融合」に警戒 ハイテク規制強化

ファーウェイのデータセンター=2021年9月、中国・広州市(AP)
ファーウェイのデータセンター=2021年9月、中国・広州市(AP)

【ワシントン=坂本一之】米国防総省は29日公表の中国の軍事動向に関する年次報告書で、企業が持つ高度な先端技術を中国軍が取り込む形で軍事力強化を図っていると指摘した。バイデン米政権は中国軍の技術力向上を強く警戒しており、高性能半導体の対中輸出を厳しく制限するなど強硬策にかじを切っている。

報告書は中国が軍と企業の融合を進め「高度なデュアルユース(軍民両用)技術の開発や取得」を行っていると強調。中国軍が2021年にビッグデータや人工知能(AI)などを用いて米軍の脆弱(ぜいじゃく)性を迅速に特定し、精密攻撃を加える新たな構想の検討を開始したとして牽制(けんせい)した。

米政権は、米国の先端技術が中国の軍事力強化につながらないよう、半導体の輸出規制強化策を10月に発表した。スーパーコンピューターやAIに使われる半導体や製造装置を中国に輸出する場合、事前許可を商務省に求め取引を厳しく制限する形にした。同省高官は、「経済的判断でなく、安全保障と外交政策に基づく」もので、中国による軍民両用技術の獲得阻止などが目的だとしている。

また、米連邦通信委員会(FCC)は今月25日、華為技術(ファーウェイ)など中国大手5社の通信機器の輸入、販売を禁止すると発表した。FCCは「安全保障上の脅威から国民を守る取り組み」と説明する。米国では中国の軍事力が自国を上回ることへの危機感が非常に高まっている。

バイデン政権は10月に公表した外交・安全保障政策の指針となる国家安全保障戦略(NSS)で、米国への脅威を生み出す先端技術への対応を強化する方針を掲げた。中国への技術流出を阻止する一方で、AIや量子技術、サイバーといった先端分野で、米国が握る優位性を維持する方針だ。

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