「餃子の王将」社長射殺事件で、京都府警などに逮捕された暴力団幹部が殺人などの罪で起訴された。真相究明の舞台は司法に移るが、そもそも9年近い時を経て事件が解決に動き出したのはなぜか。科学捜査の進展に伴う新たな証拠の発見に加え、警察や検察といったさまざまな組織の思惑が一致したこと、そしてキーパーソンとなる検察官の存在などが背景にあるようだ。
事件直前「殺されるかも」
事件は平成25年12月19日の早朝、京都市山科区の王将フードサービス本社前で発生。射殺された大東(おおひがし)隆行さん=当時(72)=と、逮捕された特定危険指定暴力団工藤会系組幹部、田中幸雄被告(56)や工藤会との接点は明らかになっていない。