【ニューヨーク=平田雄介】米東部マサチューセッツ州ボストン近郊の名門ハーバード大で11月29日、中国で活発化している新型コロナウイルス感染対策への抗議活動に連帯するデモが行われ、学生ら約50人が中国の習近平国家主席の退陣を訴えた。
AP通信によると、学生らは同大中庭にある創立者ジョン・ハーバードの銅像周辺で、中国当局への抵抗を象徴する白い紙を掲げ、英語と中国語の両方で「習近平は退け」「独裁ではなく選挙を求める」などと声を上げた。
中国からの留学生ウェインさんは「私たちが(抗議の声に)気づいていることを知らせたい」と参加理由を語った。参加者の多くは、中国当局に見とがめられ、故郷の家族に累が及ぶことを心配して、マスクや帽子、サングラスで顔を隠していたという。
東部のニューヨークや中西部イリノイ州シカゴでは、中国総領事館の近くにデモ隊が集まり、習指導部に対して市民の自由を尊重するよう求めた。
28日にはニューヨークの名門コロンビア大でも同様のデモが行われた。他の大学でも中国での抗議活動を支援するデモが計画されているという。米メディアは中国での抗議デモを「1989年の天安門事件以来、最も広範な抗議活動」と報じている。