サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会でのここまでの日本の2試合を見て、気になるのは前半の出来の悪さだ。ドイツ戦は後半に見事逆転したが、コスタリカ戦では相手が引いてくると分かっていながら、誰がゲームを組み立てて崩すのかが見えなかった。森保監督の選手起用を含め、何か迷いがあるように映った。
ここは原点に戻ってほしい。何のために前線に足の速い選手を多く選んだのかといえば、前からプレスをかけ、奪ってショートカウンターを仕掛けるためだ。スペインは攻守の切り替えが速く、前からのプレスが効かなければ後ろが持ちこたえられない。逆に高い位置で圧力をかけられれば、何度かは最終ラインでつなぎのミスが起きるはずだ。先発メンバーは運動量を高め、最初からガンガン行き、60分で足がつって交代するくらいの気持ちで戦ってほしい。
攻撃のキーマンは鎌田だ。前田や伊東は味方に使われて力を発揮する選手。鎌田がボールを受けてスルーパスを出したり、ミドルシュートを打ったりと工夫しないと、スペインは崩せない。途中出場の続く三笘を先発起用し、先制点を奪う姿勢を明示するのも好手だ。森保監督には選手と自分自身を信じて、スペインに勝つため準備してきたことをしっかりと出してもらいたい。(元日本代表主将)