100メートル走を走る前に体重1キロあたり6ミリグラムのカフェインを摂取することで、タイムを短縮する効果があることが分かったと立命館大の研究グループが30日、発表した。カフェイン摂取が運動能力の一時的な向上につながることは知られているが、陸上の短距離走での具体的な効果が確認できたのは初めてだとしている。
コーヒーやエナジードリンクに含まれるカフェインは、平成16年にドーピングの禁止リストから除外。スポーツ界ではサプリメントなどとして広く利用されている。
今回の研究では、一般的に摂取される体重1キロあたり6ミリグラムのカフェイン量による運動パフォーマンスの効果を検証し、男子の短距離選手13人の100メートル走のタイムがどう変化するかを調べた。
グループによると、100メートル走のタイムはカフェインを摂取した場合に平均0・14秒短縮した。特に「加速局面初期」と呼ばれるスタートから20メートルまでの速度が増加しており、カフェインがこの区間での爆発的な加速に影響した可能性があるとした。
体重60キロの場合、1キロあたり6ミリグラムのカフェインはコーヒー3~4杯分に相当。飲料などで摂取するには多いが、研究を主導した立命館大大学院博士課程の松村哲平さんは「運動パフォーマンスを向上させる安全で効果的なサプリの提案や、ほかの栄養素との組み合わせなどの可能性を検討したい」と話している。研究成果は米国際研究誌に掲載された。