防衛費増へ安定財源確保を 財政審建議

財務省
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財務省の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は29日、令和5年度予算編成に向けた建議(意見書)を鈴木俊一財務相に提出した。政府が増額方針を示す防衛費について「経常的な経費であるため、負担を先送りせず、歳出改革とともに安定財源を確保しなければならない」と提言した。

今後5年間の防衛費を巡っては、防衛省は現行の中期防衛力整備計画(中期防)の約1・7倍に当たる48兆円が必要だと主張し、政府内で調整が進む。建議では中期防が「平成を通じて20兆円台だった」と指摘。「30兆円を超えて相当程度増額することになれば、それ自体、歴史の転換点と言い得る」とし、「これまでの延長線上ではない歳出・歳入両面にわたる財源措置の検討」を求めた。

防衛費に加え、政府が重要政策と位置付ける少子化対策と脱炭素化を進めるグリーントランスフォーメーション(GX)投資の財源について、「安易に国債発行に依存すべきではない」とくぎを刺した。

また、新型コロナウイルスの対策として投じてきた大規模な予算措置は、感染状況に留意しつつ縮小し、終了させるべきだとした。物価高対策については、低所得者にターゲットを絞り、「メリハリの効いたものとすることが望ましい」と提唱。その上で、必要以上の長期支援は財政負担が増し、民間活力も損ないかねないと警鐘を鳴らした。

社会保障費を巡っては「給付は高齢者中心、負担は現役世代中心という構造を見直し、持続可能な制度を構築する取り組みを加速すべきだ」と訴えた。

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