冬のコート、どう選ぶ? キーワードは「ショート丈」と「クラシック」

エブールのショートコート(10万8900円)=東京都新宿区の伊勢丹新宿店(斉藤佳憲撮影)
エブールのショートコート(10万8900円)=東京都新宿区の伊勢丹新宿店(斉藤佳憲撮影)

冬の定番アイテム、コート。街がにぎわいを取り戻しつつある今季は、買い控えムードが解け、売れ行き好調だという。久々に買うならどんなものを選べばよいのか。伊勢丹新宿店(東京)のバイヤーに聞いた。(津川綾子)

婦人用「ショート丈が旬」

「今年はコートがとてもよく売れています」。そう話すのは、伊勢丹新宿店の婦人服担当バイヤー、藤本康介さんだ。

藤本さんの担当売り場の婦人コートの売り上げは、今シーズン(8月第4週~11月第2週)、コロナ禍前(令和元年)の同期間と比べて点数ベースで約3割増、金額ベースでは約5割増に。単価も上がった形だが、「海外渡航がままならないなか、代わりに高額品が好調だ。質の良いしっかりしたものが好まれているようだ」(藤本さん)という。

とりわけ今季人気なのは「圧倒的にショート丈」という。

「カオス」のコート(各7万2600円)=伊勢丹新宿店(斉藤佳憲撮影)
「カオス」のコート(各7万2600円)=伊勢丹新宿店(斉藤佳憲撮影)

例えば、日本のブランド「エブール」のコートは、グレーがかったグリーン色で、肩のラインがなだらかに落ち大きな襟にも見えるフードが特徴。ウール素材だが細い糸が使われていて着心地がとても軽く、肌触りがしなやか。

大きな襟のついたショートコートは日本のブランド「カオス」のもので、しなやかなウールで仕立てられている。

いずれもゆったりとしたオーバーサイズのショート丈、前合わせがダブルと旬の要素がそろっている。ややカジュアル感のあるデザインだが、素材の良さに加え、色合いが上品なため、「普段着にも、仕事やきちんとした場にも対応できる。流行中のリラックスシルエットの服にも合わせやすい」(藤本さん)。

他ブランドからも、こうした上質なウール素材のショート丈のコートが出そろっている。目立つのは2枚の生地を1枚に縫い合わせ、裏地を省いた「リバー仕立て」のもの。裏地付きに比べて、着心地が軽く、やわらかいのが特徴だ。コロナ禍では着心地の良いルームウエアが売れた。復活したアウター需要にも着心地志向が反映されているようだ。

紳士用は「クラシック」へ回帰

「デ・ペトリロ」のバルカラーコート(18万4800円)=東京都新宿区(津川綾子撮影)
「デ・ペトリロ」のバルカラーコート(18万4800円)=東京都新宿区(津川綾子撮影)

一方の紳士用も今季は売れ行きが好調。定番のビジネスコートなど、「クラシック」な正統派のデザインへ人気が回帰しているという。

「スーツスタイルのカジュアル化の影響で、ここ数年、ビジネスコートは下火となり、スポーティーでカジュアルな化学繊維素材のアウターが人気だった」と、同店メンズ館の紳士服担当バイヤー、稲葉智大さん。コロナ禍で在宅勤務が広がるとその傾向が顕著となり、さらにコート需要全体が落ちたが、「今季はその反動で、『かしこまったスタイルも格好いいよね』と回帰の流れが強まって、定番スタイルのコートを新調する人が目立つ」という。結果、今季は担当売り場の紳士コートの売上額が、「昨季比で約5割増くらい」(稲葉さん)。

体形の変化に合わせて新調するというビジネスマン以外にも、ウール素材のコートをカジュアルに着こなしたいという若い人も目立つという。

イタリアのブランド「デ・ペトリロ」のコートは、上襟が大きめの「バルカラー」。ラグラン袖で肩のラインがゆるやかに落ちる。着丈はやや長めでクラシックな雰囲気だ。

また質の良いウール素材のチェスターコートも好調で、ブラック、ネービーといった定番色に加え、ブラウンの人気も高まりつつあるという。

会員限定記事会員サービス詳細