冬の節電、重ね着やシャワー短縮で省エネ

冬の節電期間が12月1日から始まる。電力需給の逼迫(ひっぱく)などが見込まれるため、冬季としては7年ぶりに、政府が全国規模で節電を要請した。ロシアによるウクライナ侵攻に伴うエネルギー危機や、円安による液化天然ガス(LNG)調達価格の高騰などを受けた措置だ。経済産業省は具体的な数値目標は求めていないが、さまざまな取り組みを例示し、節電に加えて節ガスへの協力も広く呼びかけている。

冬の節電効果が最も大きいのは暖房関連の対策だ。使用電力の32・7%を暖房関連が占めている。日中~夕方にピークが来る夏の冷房需要と異なり、冬は朝方や夜にピークが訪れるなど違いがある。可能な範囲で重ね着をして、エアコンの設定温度を22度から20度に下げれば2・7%、こたつの使用時間を半分にすれば1・0%、それぞれ節電効果が期待できる。

夏同様の節電が期待できるのが照明だ。不要な照明を全て消すことや照明の明るさを下げることでも、それぞれ4・5%、1・5%の節電につながる。

今冬は、節電に取り組むことでポイントなどの特典を多くの家庭で受け取れる点も大きな違いだ。夏は大手電力など一部の事業者が自主的に取り組んでいた節電ポイントについて、冬は国が財政面で支援する。

経産省によると、冬の節電ポイント付与は大手電力や新電力を含む全国で275の事業者(11月25日現在)が行う意向を表明。利用者の95%以上をカバーしている。各社の節電プログラムに参加することで家庭なら2千円相当のポイントなどの特典を受け取れる。さらに各社が示す節電目標を達成すれば、特典の上乗せ獲得も可能だ。

一方、家庭の節ガスはできる場面が限られており、難しそうだ。経産省は、ガス湯沸かし器を利用する家庭で、家族らが続けて入浴してお風呂を沸かしてから2時間後の追いだきを避ければ5・6%、またシャワーの時間を1分短縮すれば1・9%、それぞれ省エネにつながるとしている。

火力発電の燃料や都市ガスとして多く利用されるLNGは、ロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」や米国、マレーシアなど主要な海外の調達先に懸念が残る。

政府は万が一の事態に備え、事業者間でLNGを融通できる仕組みを構築。ガス事業法を改正して、大規模なホテルや商業施設、工場など年50万立方メートル以上の都市ガスを利用する大口利用者を念頭に、需給逼迫時に使用制限令を出すことも視野に入れている。(永田岳彦)

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