浅野はうつむき、吉田は首を振った。サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会1次リーグ初戦でドイツを破った日本は、27日のコスタリカ戦で主導権を握り、攻め続けながら、後半の一発に泣いた。過去3勝1分けと負けなしの相手にまさかの黒星。大金星から一転、苦しい立場に追い込まれ、権田は「一番望んでいない、よくない結果だった」と悔やんだ。
ドイツ戦から中3日。森保監督は疲労を考慮し、先発5人を入れ替えた。1次リーグを突破し、その後もW杯で勝ち上がるための一手だったが、不発に終わったと言わざるを得ない。
W杯初先発となった上田と相馬は持ち味は見せた。しかし、「前線のメンバーが代わって、コンビネーションが難しそうに見えた」と、この日はベンチスタートだった伊東(スタッド・ランス)。前線にボールが入った後、複数人が絡み合うように連動する場面が少なく、前半はシュート2本に終わった。
吉田は「当初のプラン通り。やりづらさはなかった」と否定するが、伊東や浅野、三笘(とま)(ブライトン)らアタッカーを続々投入した後半も迫力こそ増したものの、ゴール前に5人を並べて引きこもるコスタリカを崩すほどの力は示せなかった。
「後悔はしていない。勝つために必要だった」との森保監督の言葉もむなしく響く。出場した過去6大会、1次リーグ第2戦で勝利したのは2002年日韓大会のみ。鬼門〟はまたも突破できなかった。最終戦でぶつかるスペインはコスタリカを0-7で圧倒しており、難しい試合になる。長友は「ここで下を向いたら終わる。切り替えて次に全てを懸けて戦う」と決意を語った。(川峯千尋)