新型コロナウイルスの「第8波」到来で、マスク着用をめぐってもさまざまな意見が交わされるなか、マスク着用をめぐる訴訟の第1回口頭弁論が広島地裁で開かれた。今年2月に北海道の釧路空港で旅客機に搭乗した際、マスク着用を拒んで降ろされた広島県呉市議の谷本誠一氏(66)が、航空会社AIRDO(エア・ドゥ)と北海道警釧路署に降機命令の取り消しと損害賠償1円などを求めた訴訟だ。会見した谷本氏は「マスクがコロナ感染症に効果があるというエビデンスはない」と持論を展開した。
裁判長も注意
11月11日午前10時から広島地裁で開かれた口頭弁論。冒頭で、吉岡茂之裁判長の「マスクの着用にご理解とご協力をお願いします」と注意の声が響いた。
法廷内では、民事事件の第1回口頭弁論では珍しく、小さな法廷の傍聴席は7割ほど埋まっていた。谷本氏はもとより、傍聴席の20人ほどはマスクを付けず、報道関係者を除けばマスクを着けているのは4~5人だった。それに対する裁判長の注意喚起だった。
この日朝から傍聴券の配布が行われ、谷本氏の支援者らが傍聴券を求め集まっていた影響もあった。