カナダ戦略文書、中国警戒「秩序乱す大国」

オタワにある平和の塔の前に掲げられているカナダの国旗(ロイター)
オタワにある平和の塔の前に掲げられているカナダの国旗(ロイター)

【ニューヨーク=平田雄介】カナダ政府は27日、今後10年間のインド太平洋戦略を発表した。カナダを「太平洋国家」と位置づけ、米国や欧州連合(EU)などと連携し、この地域の発展に寄与する決意を示す内容。中国を「国際的な秩序を乱す世界規模の大国」と警戒、中国による威圧的な行動が人権上の義務や同盟・友邦国の安全保障を損う場合、「カナダは挑戦する」と明記した。

先進7カ国(G7)の一員でもあるカナダは、欧米諸国と足並みをそろえる形で対中圧力を強化。ジョリー外相は会見で「カナダの安全保障や経済成長は、インド太平洋地域との関係によって決まる」と述べ、この地域に5年間で23億カナダドル(約2400億円)を投資すると発表した。

戦略文書は、中国について「自国に有利となるように国際的なルールを書き換えようとしている」と懸念を表明。南シナ海や東シナ海、台湾海峡での現状変更を試みる一方的な行動に対し、「同盟・友邦国とともに押し返す」との決意を示した。同盟国と連携してインド太平洋地域での軍事演習への参加を増やし、カナダ海軍の存在感を高めると記した。

日本との関係では安全保障上の機密情報を共有しやすくする「情報保護協定」締結交渉を進める。持続可能なエネルギー開発や、自由貿易の促進、気候変動対策などでも協力する。

インドや韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国との協力を深めることも重要だと位置づけた。

カナダ国内でも、中国の威圧的な行動を念頭に、知的財産や鉱物資源に関する外資規制を強化し、サイバーセキュリティーを高めるとした。他方、気候変動や核拡散防止などの課題では解決策を見つけるため、中国と協力するとした。

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