委託先業者、無断で再委託し口止めか 調査委が報告書 尼崎USB紛失

調査委報告を受け、記者会見する兵庫県尼崎市の稲村和美市長=28日午後、同市(木津悠介撮影)
調査委報告を受け、記者会見する兵庫県尼崎市の稲村和美市長=28日午後、同市(木津悠介撮影)

兵庫県尼崎市の全市民約46万人の個人情報が入ったUSBメモリーが一時紛失した問題で、外部委員による市の調査委員会が28日、報告書を公表した。この中で、個人情報を取り扱っていた委託先の業者が市との契約に違反し、無断で業務を再委託していたと認定。再委託先の業者などに口止めしていたとも指摘した。

報告書によると、同市は新型コロナウイルス対策の臨時特別給付金支給事務を情報サービス会社「BIPROGY(ビプロジー)」(旧日本ユニシス)に委託。ビ社は無断で業務を再委託し、再委託先からさらに委託された業者の男性社員が今年6月21日夜に飲酒した後、事務に関連して全住民の個人情報を記録したメモリーを紛失、24日に発見された。

再委託先、再々委託先の従業員らも尼崎市に出入りしていたが、調査委に対し「ビ社以外の会社に所属することは、市に秘密にするようビ社側から口止めされていた」と説明。調査委はビ社が意図的、組織的に無断再委託を隠した可能性を指摘した。

メモリーには全市民の氏名や住所などが保存されていたが、調査委は解析の結果、個人情報の漏洩(ろうえい)は確認されなかったと結論づけた。

調査委の委員長を務めた関西大の小林孝史准教授は「ビ社については契約を守っていないことが最大の問題。市については、その契約違反を確認できなかったことが問題だ」と述べた。


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