一振りで窮地救う先制点 個でねじ伏せたメッシ

後半、攻め込むアルゼンチンのメッシ(中央)=ルサイル(共同)
後半、攻め込むアルゼンチンのメッシ(中央)=ルサイル(共同)

たった一振りで全てを変えた。試合の流れが関係ないほど強烈な個でねじ伏せたアルゼンチンのメッシ。今大会最多8万8966人が集まった舞台で負ければW杯優勝の夢が消える窮地を先制点で救ったスーパースターは「まだ諦めるわけにはいかなかった」と感慨に浸った。

5バックで守備を固めた相手に対し、初戦でサウジアラビアに敗れた重圧からかミスを連発。エースに球がつながらない。得点の気配がない中で迎えた後半19分。ディマリアのパスをわずかなスペースで止め、左足で渾身の一撃を見舞うと低い弾道のシュートがゴール右隅に突き刺さった。

サポーターの元に駆け出して仲間の祝福を受け「肩の荷が下りた」。視線を上げ、安堵の表情を浮かべた目に光るものがあった。見上げた先にいたのは2年前に死去した英雄マラドーナさんか。試合前日の25日が命日。この一戦でくしくもメッシはマラドーナさんが持つアルゼンチンのW杯最多出場記録21に達し、W杯通算8点目でも並んでみせた。(共同)

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