<独自>「経験ない会社困る」組織委元次長懸念、質確保へ調整か 五輪談合

五輪を巡る入札談合疑惑で家宅捜索が入った電通本社=25日午後、東京都港区(飯田英男撮影)
五輪を巡る入札談合疑惑で家宅捜索が入った電通本社=25日午後、東京都港区(飯田英男撮影)

東京五輪・パラリンピックのテスト大会関連業務を巡る談合事件で、発注を担当した大会組織委員会の大会運営局元次長が「経験のない会社が受注しては困る」との認識を周囲に示していたことが27日、関係者への取材で分かった。テスト大会関連業務は実際、過去に競技運営などで実績のある企業が落札していた。

東京地検特捜部と公正取引委員会は、業務の質を保つために組織委側が企業側と連携し、受注調整に関与した可能性もあるとみて解明を進めているもようだ。

談合が疑われているのは、テスト大会の計画立案支援業務に関する競争入札26件。広告大手「電通」など9社と1つの共同事業体が計5億円超で落札した。9社は、本大会の運営業務も計約196億円の随意契約で受注している。

関係者によると、元次長は大会前、テスト大会や本大会の関連業務について「入札額が安いからといって経験のない会社が受注しては困る」などと話し、一定の質以上で受注できる企業は限られるとの認識を周囲に示していたという。

テスト大会関連業務の26件のうち、サッカー競技会場など5件を落札した電通は、日本サッカー協会と長年パートナーシップ契約を締結。陸上競技会場など共同事業体としての応札も含め6件を落札したイベント会社「セレスポ」は、陸上の日本選手権の運営に携わった実績があった。

このほか、馬術競技会場は日本馬術連盟の広告を担う「旧アサツーディ・ケイ」(ADK)が落札するなど、落札企業の大半は各競技団体と関係が深かった。

特捜部と公取委は25日、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で、9社のうち電通とセレスポを家宅捜索。組織委大会運営局元次長の自宅も捜索した。ADKは独禁法の課徴金減免制度(リーニエンシー)に基づき、公取委に違反を自主申告した。

組織委は、落札企業側の意向をまとめたリストを電通と共有しており、特捜部は、組織委が実績のある企業の意向を確認していた可能性があるとみているもようだ。

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