歴史的な円安や原材料の高騰は企業収益にどう影響したのか。そのことを測る令和4年9月中間決算の発表が終わった。SMBC日興証券の集計によると、上場企業の最終利益合計額は中間期ベースで過去最高水準を記録。通期でも最高益を更新する見通しという。
集計は東京証券取引所の旧1部上場企業を中心とした3月期決算企業1400社あまりを対象に行った。好決算は、新型コロナウイルス禍によって大きな影響を受けた鉄道や空運が回復するなど非製造業が牽引(けんいん)した。製造業でも円安が輸出採算の改善や円換算した海外事業の収益押し上げにつながり、原材料価格などのコスト高を吸収した企業が目立つ。もちろん業種や企業によって明暗はあるものの、大手では業績が好調な企業が多かったことは間違いない。
一方、家計は厳しさを増す。10月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比3・6%上昇した。伸び率はインフレが長期化していた昭和57年2月以来40年8カ月ぶりの大きさだ。物価変動を加味した実質賃金は9月まで前年同月と比べて6カ月連続でマイナスに沈んでいる。