〈特報〉カルテル、関電提案か 課徴金免除、他電力「ぬけぬけと」

大阪市北区にある関西電力本店
大阪市北区にある関西電力本店

事業者向けの電力販売を巡る大手電力のカルテル問題で、公正取引委員会が独禁法違反(不当な取引制限)で課徴金納付を命じる方針を固めた中部電力、中国電力、九州電力の3社に対し、関西電力幹部が協議を持ち掛け、それぞれとカルテルを結んだとみられることが26日、分かった。関電は公取委に最初に違反を申告したため課徴金減免(リーニエンシー)制度で納付を免れる見通し。課徴金の対象となる大手電力からは「関電だけがぬけぬけと免れるとは」との恨み節も出ている。

関係者によると、各社はオフィスビルや大規模工場向けの「特別高圧電力」、中小ビルや中規模工場向けの「高圧電力」の販売で、互いに他社の区域での営業を控え顧客獲得を制限していた疑いがある。

電力小売りは事業者向けから順次自由化が始まり、平成28年に家庭向け電力も対象となり全面自由化。新電力の参入や大手電力のエリアを超えた営業が認められるようになった。

関係者によると、一部の大手電力から「過当競争はたまらない」との声が出て、関電の企画部門幹部が30年秋ごろに3社を訪問し協議を提案。関電が3社それぞれとの2社間カルテルを順次結んだという。関係者は「扇のかなめに位置した関電が主導したことは明らか」と指摘する。

当時、企画部門を担当する副社長は森本孝前社長だった。関電は令和元年9月、原発が立地する福井県高浜町の元助役から幹部が多額の金品を受領していたことを公表。2年3月に岩根茂樹社長(当時)が退陣し森本氏が昇格したが、カルテルは3年4月に公取委が関電などを立ち入り検査するまで発覚しなかった。

リーニエンシーは違反について情報提供を促すために導入された制度。関電は調査開始前に最初に違反を申告したため、課徴金を全額免れるとみられる。

森本氏は今年6月に特別顧問に退き、現在の森望(のぞむ)社長が昇格。記者会見で森本氏は「社内外からの評価が金品受領問題の発覚以前に戻りつつある」と述べ、カルテル疑惑と社長交代の関係については、榊原定征(さだゆき)会長(元経団連会長)が「全くない」と否定していた。

関電はコンプライアンス(法令順守)意識が改めて問われそうだ。

同社は「立ち入り検査を厳粛に受け止め、調査に対して全面的に協力している。現時点では公取委から(処分前の)意見聴取の通知は受けていない。それ以上の回答は控える」とコメントを出した。(牛島要平)

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