人権侵害への関与や安全保障上のリスクを理由に米英政府から取引禁止などの措置を受けている中国の監視カメラメーカー大手2社が、日本でのシェア拡大に動いている。5月に成立した経済安全保障推進法を受け、安保上の脅威となる外国製品を基幹インフラから排除する事前審査の制度設計が今後進められるが、現時点では監視カメラが対象に含まれるかどうかは不透明。与党の一部からは個人情報漏洩(ろうえい)の危険性を懸念する声もあり、制度設計上の課題の一つになりそうだ。
この2社は、杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)と浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー)。市場調査会社のテクノ・システム・リサーチ(東京)によると、インターネットに接続できるネットワークカメラ(監視カメラ)の2021年の世界市場シェアは1位がハイクビジョン、2位はダーファで、両社だけで約4割を占める。人工知能(AI)を使った高性能さと低価格が特長という。