<独自>生前贈与促進へ 相続税加算期間を10年に延長 政府・与党

首相官邸の建物=東京都千代田区(斎藤良雄撮影)
首相官邸の建物=東京都千代田区(斎藤良雄撮影)

政府・与党が、生前贈与を受けた際に支払う相続税に贈与額分を加算する年数について、現行の相続前3年間から10年間程度に延長する方向で検討していることが25日、分かった。課税負担が重くなる期間を長くすることで、重くなる前の生前贈与を促し、子育て費用などが必要な若年層への資産移転が進みやすいようにする。12月中旬にまとめる令和5年度の与党税制改正大綱に盛り込む方向で詳細を詰める。

贈与税は贈与者(被相続人)の生前に、相続税は死亡時に、贈与を受け取った受贈者(相続人)が支払う。

現行の贈与税の基本となる「暦年課税」は、1年間に贈与で得た財産から110万円を差し引き、残りの金額に課税される仕組み。現状は、贈与者が亡くなり相続が始まる前の3年間に得た贈与財産のみが相続税の加算対象となる。

現行制度では、相続前3年間の加算期間のみ税負担が重くなるが、この期間が長くなれば、税負担を軽くしようと前倒しで若年層に多額の資産が移りやすくなると期待される。

加算期間が10年間に延長された場合は、贈与者の死亡からさかのぼって10年間に行った贈与すべてが相続扱いになるため、節税効果は大きく減少する。長期間の分割贈与で節税を図ってきた富裕層との格差是正に寄与しそうだ。

一方で「加算期間を延ばしすぎると(申告書類確認など)実務面が心配」(政府税調)との指摘もあり、詳細は実効性の確保も念頭に引き続き検討を進める。

また、他人から一定の資産をもらった人にかかる贈与税のうち、60歳以上の父母や祖父母から成人の子や孫へ資産を渡す場合に選択できる「相続時精算課税」についても、少額贈与時の税務署申告を不要とするなど、利用促進につながる使い勝手の向上策を検討する。

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