大相撲で高安が初賜杯に王手 薄氷白星も冷静「いい相撲取る」

○高安(はたきこみ)輝×=福岡国際センター(撮影・安部光翁)
○高安(はたきこみ)輝×=福岡国際センター(撮影・安部光翁)

大相撲九州場所14日目は26日、福岡国際センターで行われ、初優勝を目指す平幕高安が輝をはたき込み、12勝2敗で単独トップを守った。

悲願の初優勝を目前にして心技体の歯車がかみ合わなかったか。高安は輝に勝って単独トップを守ったとはいえ、その相撲は薄氷を踏む内容だった。

立ち合い、いつものようにかち上げた後、右足が流れた。体勢を立て直して相手を俵まで押し込むも、ここで勝負を決められない。我慢しきれず引いてしまうと、そこから防戦一方に。輝に追い回されるように、下がりながら土俵を半周した末、必死の形相ではたき込みを決めた。

本人は「前には出られたけど決め手に欠けた」と反省を口にしたうえで、すぐ「前向きに捉えていきたい」と視線を上げた。ここまで来れば白星を手にしたことが何より重要である。

32歳の元大関が今年の大相撲をもり立ててきた1人であることに異論はないだろう。幕内での年間勝利数は最多の若隆景の57勝に及ばぬ41勝だが、これは新型コロナウイルス関連の休場が2場所あったから。出場4場所中3場所で2桁勝利をマークし、勝率は6割9分5厘と、若隆景の6割4分0厘や照ノ富士の6割8分9厘を上回る。

春場所、秋場所と優勝に、あと一歩届かなかった姿は記憶に新しい。今度こその思いは本人もファンも強いはずだ。

賜杯に王手をかけた高安は言う。「割と落ち着いています。(千秋楽は)来年につながるような良い相撲を取りたいです」。諦めず挑戦を続けてきた令和4年、最後の勝負が待っている。

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