日本、サウジの勝利 0-1で我慢して決定機逃さず 世界を驚かした番狂わせの共通点

ワールドカップ2022のドイツ-日本の前半、タックルを受け、吹き飛ぶ日本・酒井宏樹。日本は圧倒されていた=ハリファ国際競技場(蔵賢斗撮影)
ワールドカップ2022のドイツ-日本の前半、タックルを受け、吹き飛ぶ日本・酒井宏樹。日本は圧倒されていた=ハリファ国際競技場(蔵賢斗撮影)

【ドーハ=奥山次郎】サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会は全チームが1次リーグ初戦を戦い、連日の大番狂わせが世界を驚かせた。23日に日本がドイツを撃破し、先立つ22日にはサウジアラビアがアルゼンチンを下している。アジアの挑戦者がW杯優勝経験国に一泡吹かせた試合には、先制を許して圧倒的に試合も支配されながら0-1で我慢し、数少ない決定機を見逃さないという共通点があった。

国際サッカー連盟(FIFA)によると、ボール保持率は日本の23%に対してドイツは66%(11%は争奪戦中)、サウジアラビアの25%に対してアルゼンチンは65%(10%は争奪戦中)と酷似していた。保持率はどちらが主導権を握っていたかの指標となり、日本とサウジアラビアは数字通りに圧倒されていた。

日本は前半33分、サウジアラビアは前半10分にそれぞれPKで先制を許した。共通していたのはその後に慌てて追い付こうとせず、最低でも前半を0-1で終えるために守備を優先させた点だ。冨安は「0-1になっても、0-2、0-3にすることだけは避けようと話していた」と振り返った。1点差であれば、何が起きてもおかしくないというわけだ。

しかし、得点を奪わないことには勝ち点につながらない。日本は後半に入って浅野、三笘、堂安、南野と攻撃的な選手を次々に投入し、後半30分に堂安、8分後に浅野がゴールを奪って逆転。サウジアラビアも後半3分、8分と立て続けにネットを揺らして逆転に成功した。

勝利を呼び込んだのは、ほとんど作れなかったチャンスを得点につなげる決定力だった。シュート数は日本が10本でドイツは25本、サウジアラビアが3本でアルゼンチンは14本。日本はそのうち2本で得点を挙げ、サウジアラビアに至っては3本で2点を奪う驚異的な集中力を発揮した。

日本とドイツ、サウジアラビアとアルゼンチンには、ボール保持率やシュート数の差が示すだけの実力差があり、10度対戦して勝ち越すことは考えにくい。しかし、一発勝負のW杯で数少ない勝機をつかむことは可能で、アジアの両雄はものの見事に困難なミッションをやり遂げた。

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