古都の錦秋おさめる「額縁構図」 インスタ映え狙う若者も魅了

紅葉のピークを迎えた嵐山祐斎亭。テーブルに反射する構図がシンメトリーな風景をつくり出し、写真映えすると話題を呼んでいる=23日、京都市右京区(渡辺恭晃撮影)
紅葉のピークを迎えた嵐山祐斎亭。テーブルに反射する構図がシンメトリーな風景をつくり出し、写真映えすると話題を呼んでいる=23日、京都市右京区(渡辺恭晃撮影)

日ごと秋が深まる京都で窓枠を「額縁」に見立てて紅葉を楽しむ人気のスポットがある。「まるで絵画のよう」「ひと味違った趣がある」。自然の景観をあえて切り取る「額縁構図」と呼ばれる手法で、フォトジェニックな錦秋の世界に、〝インスタ映え〟を狙う若い世代も魅了されている。

「とてもきれい」。思わずそう声を漏らした女性の視線の先には、丸窓いっぱいに広がる紅葉があった。さらにその景色が室内に置かれた机の天板にも映り込み、幻想的な空間を織りなしている。

場所は、紅葉の名所として知られる嵐山・渡月橋近くの染色アートギャラリー「嵐山祐斎亭」(京都市右京区)。もともとあった丸窓を利用した額縁構図が人気を呼んでおり、写真撮影していた神戸市の谷間咲希さん(25)は「交流サイト(SNS)で友人とシェアしたい」と喜ぶ。

嵐山祐斎亭は、作家・川端康成が小説「山の音」を執筆した築150年の元料理旅館で、約20年前に染色作家の奥田祐斎さん(72)が譲り受けた。

令和2年秋に初めて一般公開したところ、写真映えするとSNSで話題に。秋季の来館者数は3年には約1万5千人に上った。今年は入国制限の緩和もあって外国人観光客の姿も目立ち、3年を上回る2万人超となる見通しという。

一方、鞍馬山近くの日本庭園「白龍園」(同市左京区)では、園内に自生するカンアオイをかたどった窓が完成し、今秋から本格的に公開が始まった。

カンアオイをモチーフにした「白龍園」の窓は、色づいた紅葉をハートのようにかたどり、SNSで人気を集めている=23日、京都市左京区(渡辺恭晃撮影)
カンアオイをモチーフにした「白龍園」の窓は、色づいた紅葉をハートのようにかたどり、SNSで人気を集めている=23日、京都市左京区(渡辺恭晃撮影)

もともと春と秋に庭園を一般公開していたが、若い世代にも楽しんでもらおうと、新たに額縁構図を企画。カンアオイの葉はハートのような形をしており、1日最大150人の予約枠はカップルらを中心にほぼいっぱい。結婚式の前撮りで訪れる来園者も多い。

窓枠や柱などを利用する額縁構図は、ドウダンツツジが美しい兵庫県豊岡市の安国寺やハート形の「猪目窓(いのめまど)」で有名な京都府宇治田原町の正寿院などでも知られている。

写真家の沢井健太さん(34)は「額縁構図は、すべてを見せない奥ゆかしさがある。見る人の想像をかき立てるのが魅力」と語る。(渡辺恭晃)

【動画】紅葉のシンメトリー色鮮やか 京都・妙覚寺でライトアップ

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