エネオス、和歌山で廃食油など原料の航空燃料製造へ 知事「感謝」

エネオスの和歌山製油所跡地利用発表を歓迎する仁坂吉伸知事=和歌山県庁
エネオスの和歌山製油所跡地利用発表を歓迎する仁坂吉伸知事=和歌山県庁

石油元売り最大手ENEOS(エネオス)が24日、令和5年10月をめどに機能停止を発表していた和歌山製油所(和歌山県有田市)の跡地利用について、廃食油などを原料とする環境負荷の少ない「持続可能な航空燃料(SAF)」の製造に本格着手すると発表した。機能停止で地元経済への影響を懸念していた同県の仁坂吉伸知事は「熱心に地元の気持ちをくんでくれて、今日の発表にこぎつけてくれた。大変感謝している」と歓迎した。

SAFは、脱炭素化に向けた有効な代替燃料として航空輸送業界で注目されている。

エネオスによると、当初は根岸製油所(横浜市)での事業化調査を計画していたが、既存設備の有効活用などの条件を総合的に勘案した結果、和歌山製油所に変更した。令和8年までに量産供給体制を構築し、将来的に年間約30万トンの製造を想定している。

発表を受けて仁坂知事は報道陣の取材に応じ、「今後ますます(SAFの)需要は高まる」と発言。社員約450人、協力会社の従業員約900人とされた雇用の維持についても「順調に事業が育てば、今以上に期待できるかもしれない」と述べた。

仁坂知事は今年1月の機能停止発表直後、地元経済への影響を懸念して東京のエネオス本社に乗りこみ当時の社長に撤回を直談判した経緯もあり、仁坂知事は「何もしなかったら、それっきりになったかもしれない。乗りこんでよかった」と振り返った。

今後に向けては、「速やかに事業を進めることがエネオスと県の共通目標になる。さまざまな手続きや調整も出てくると思うので、県を挙げて応援していく」と話した。

一方、地元・同県有田市の望月良男市長は「地域の声を真摯に受け止めていただき、地域と共存する企業として前向きに検討いただき大変うれしく、ありがたく感じています。市としても、事業の実現に向けて、あらゆる面で支援・協力してまいります」とコメントした。

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