埼玉・現代の名工㊦ 情報配線施工工・中山拓也さん「技能者としての評価にうれしさ」

髪の毛ほどの太さの光ファイバーを接続する機器を扱う中山拓也さん=11月22日午前、埼玉県和光市(兼松康撮影)
髪の毛ほどの太さの光ファイバーを接続する機器を扱う中山拓也さん=11月22日午前、埼玉県和光市(兼松康撮影)

大手通信建設会社のエクシオグループで、光ファイバーを通信事業者の局舎から顧客の家まで伸ばす工事を手掛ける部局に属し、一方で、同社の「中央技術研修センタ」の研修担当として後進の育成に力を注いでいる情報配線施工工の中山拓也さん(46)。作業現場での品質と効率を同時に向上させる手法の実現や、技能五輪の国際大会で金メダリストを多数輩出してきた指導力が評価された。

平成7年入社。「光ファイバーがまだ一般的ではなく、インターネットで何でもできるようになるかもしれないという期待があった時代だった」と振り返る。

技術を学び、現場で施工する中、手先の器用さではどうしても勝てない先輩や同僚がいて、効率よく早く作業をする秘訣(ひけつ)について思考や研究を重ねてきたという。

そうした学びや現場で培った意識を後進に伝えるようになったのは、情報時代の本格化を迎えつつあった16年のこと。青年技能者が競う技能五輪に「情報ネットワーク施工」職種が新設され、その指導者となったことからだ。技能五輪全国大会には18大会でのべ84人を送り込み、29人のメダリストを輩出。さらに技能五輪国際大会では今年10月の京都での開催を含め、6人の金メダリストを出した。現在、日本勢が同職種を9連覇しており、技術の高さを誇る部門だ。

今回の「現代の名工」の称号に「実はあまり評価とか勲章に興味はなかったのに、選ばれてじわっとくるほど感慨深くて。意外だったし、想像もしていなかった」と明かす。「技能者として生活してきたことに対する評価がうれしかったのかな」

これまで指導してきた技能五輪の選手が全国で活躍し、日本の通信を担っていくのが夢という。「20年近く指導してきたが、夢はまだ道半ば。今後は技能の継承そのものもシステム化して、いかに効率よくできるか」と、指導する側として現場にも還元できることの模索を続けていく。(兼松康)

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