ドイツ撃破の日本、勝因は前半の「0-1」 光ったしたたかさ

前半、ドイツの2点目をオフサイドだとアピールする権田修一ら日本代表=23日、ハリファ国際競技場(村本聡撮影)
前半、ドイツの2点目をオフサイドだとアピールする権田修一ら日本代表=23日、ハリファ国際競技場(村本聡撮影)

最重要な初戦で最高の結果を手にした。日本は23日のサッカーワールドカップ(W杯)カタール大会1次リーグで、ドイツに先制されながら後半2得点を挙げ〝番狂わせ〟を演じた。出場した過去6大会で先制された試合は2分け7敗。7大会目にして初めての逆転勝ちは、世界に衝撃を与えた。

自陣にくぎ付けにされた前半を、「0-1で折り返せたことが勝因の全て」と長友はいう。確かに巧みな位置取りから華麗なパスワークで仕掛けるドイツの波状攻撃を食い止めるのが精いっぱいで、決壊寸前だった。

それでも、ピッチ内は冷静だった。「1点差なら何かある」(長友)と、まずは「2点目を取られないように」とDFラインを中心に意思統一した。4万2608人の大歓声が響くスタジアムでは、「(選手同士の)声も通らない。途中で戦術を変えるのは難しい」と吉田。無策に見えた前半は、あえて割り切って全員で守備に徹していた。

だからこそ、〝奇策〟の3バックが生きたともいえる。対応に手間取るドイツから、ボールを奪う機会が増えた。逆転後の後半ロスタイムには、右太もも裏の故障明けだった冨安が「あえて」座り込み、時間を稼いだ。「流れを断ち切ろうかなという意図はあった」と冨安。日本に足りないとされてきた「マリーシア(ずる賢さ)」も駆使し、W杯優勝4度のドイツを打ち破った。

余韻に浸る暇はない。27日にはコスタリカ戦。歓喜から一夜明け、24日の朝食会場はすでにピリッとした空気が漂っていたという。長友は「みんな引き締まった顔をしていた。次負けたら意味がない」。新たな歴史を作る道のりは、まだ始まったばかりだ。(川峯千尋)

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