子育て支援 新給付金創設 全世代社保会議 論点整理

全世代型社会保障構築会議で発言する岸田文雄首相=24日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)
全世代型社会保障構築会議で発言する岸田文雄首相=24日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)

政府の有識者会議「全世代型社会保障構築会議」(座長・清家篤元慶応義塾長)が24日、改革の方向性を示す論点を整理し、政府が同構築本部(本部長・岸田文雄首相)でこれを決定した。子育て支援に力点を置き、育児休業明けに時短勤務をする正社員や子育て中の自営業者らを対象に新給付制度を検討する方向性が示された。「給付は高齢者、負担は現役世代」といった従来の構図を転換し、年齢と関係なく経済力に応じた負担を求め、子育て世代への支援を充実させる。

構築会議は論点整理を基に年内に報告書を取りまとめ、政府が中長期的な改革スケジュールを記した工程表を策定する。首相は本部会合で「必要な子供政策を体系的に取りまとめる」と強調。改めて子供関連予算の倍増を目指す方針を表明し、来夏の経済財政運営の指針「骨太方針」で道筋を示すとした。

整理された論点は「こども・子育て支援の充実」「働き方に中立的な社会保障制度などの構築」「医療・介護制度の改革」「地域共生社会づくり」-の4分野。

「子育て支援」では、子育てのため希望する人が育児休業明けに時短勤務を選択しやすくする給付や、自営業者やフリーランスなどに対する育児期間中の新たな給付の創設を求めた。また、育児休業後、職場に本格復帰しやすくするため、希望者が事前に保育所の枠を確保できる仕組みの導入も課題に挙げた。

「働き方に中立的な社会保障制度構築」については、「勤労者皆保険」の実現に向け、パート従業員ら短時間労働者も厚生年金や健康保険に加入できる要件の緩和を盛り込んだ。具体的には勤務先の企業の従業員数の要件の撤廃や、これまで適用外だった業種の解消を早急に実現することが提案された。

「医療・介護制度改革」では75歳以上の後期高齢者の保険料率を上げ、改めて現役世代の負担を抑える考えを示した。出産育児一時金を現行の原則42万円から大幅に引き上げることが盛り込まれた。

介護分野では、介護保険に関し「制度の持続可能性を確保する」と記し、高所得者の負担増をにじませた。ロボット活用などによる働きやすい環境づくりを重視する。

「地域共生社会」をめぐっては、一人住まいの生活困窮者や高齢者が、地域とつながりながら安心して日常生活を送れるよう「住まい」の確保策を積極的に推進する必要があるとした。

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