国産コロナ薬、厚労省が緊急承認 塩野義製飲み薬

塩野義製薬の新型コロナウイルス感染症の飲み薬「ゾコーバ」(同社提供)
塩野義製薬の新型コロナウイルス感染症の飲み薬「ゾコーバ」(同社提供)

厚生労働省は22日、塩野義製薬が開発した新型コロナウイルス感染症の飲み薬「ゾコーバ」について、感染症のパンデミック(世界的大流行)などの有事を想定して5月に創設された緊急承認制度に基づき、緊急承認した。初の国産コロナ飲み薬で、同制度の適用も初めて。政府は100万人分を購入することで同社と合意している。新型コロナの流行「第8波」への懸念が強まる中、重症者を減らし、医療逼迫(ひっぱく)を軽減できる可能性があるなどとして期待がかかる。

同日開かれた同省の薬事分科会と専門部会の合同会議で初適用することが了承されたことを受け、同省が即日で緊急承認した。

ゾコーバを巡る専門家の審議は3回目で、塩野義が同制度の適用申請を行ってから約半年がかりの承認となった。7月の審議では「有効性が推定できない」として適用が見送られたが、今回は、同社が提出した最終段階の臨床試験(治験)のデータをもとに改めて審議された。

ゾコーバは、細胞内に入ったウイルスの増殖を抑える働きがある。軽症、中等症患者向けで、感染初期に1日1回(5日間)服用する。現在、国内で実用化されている海外製新型コロナ飲み薬の対象は重症化リスクのある人に限られるが、ゾコーバはリスクの有無を問わないためより多くの人に処方できると期待されている。

塩野義は、5月の医薬品医療機器法(薬機法)改正でワクチンや治療薬の迅速な実用化を目指す緊急承認制度が新設されたことを受け、適用を申請した。新制度はパンデミックやバイオテロなど緊急時を想定。中間段階の治験であっても、安全性が確保され、有効性が推定されるなどの一定の要件を満たせば医薬品の使用が認められる。

ゾコーバの中間段階の治験では、ウイルス量の減少効果が確認された一方、事前に目標と定めた12症状の総合的な改善効果が明確に出ていなかった。7月に継続審議となった後、同社は9月に最終段階の治験の解析速報を公表。ゾコーバを投与した患者で、オミクロン株に特徴的な鼻水やのどの痛みなど5症状の消失までの時間が偽薬投与群に比べて約24時間短いことを確認したとしていた。

緊急承認の期間は1年が適当としており、それまでに有効性が確認できない場合は承認は取り消される。

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