サッカー・ワールドカップ(W杯)が開催されるカタールには、世界中からサポーターや報道陣が続々と集結。取材では首都ドーハ市街地を中心に歩き回る。土地勘もなく恐ろしく強い日差しを避けるため、タクシーに乗る機会は多い。ただドーハ入り初日だった18日は悪戦苦闘した。
宿泊地からドーハ中心部に向かおうと、スマートフォンの配車アプリでタクシーを呼んだ。2~3分でいわゆる「白タク」が登場。ハンドルを握るのはパキスタン出身のムジャヒッドさん(37)。「クレジットカードは使えるか」と聞くと満面の笑みで「乗って乗って」と手招きされた。
車中で不安がよぎり、もう一度確認すると「カードは使えない。現金はないのか?」と焦った様子のムジャヒッドさん。空港の外貨両替店はレートが良くなかったので、現地通貨のカタール・リヤル(1リヤル=約40円)を一切持たず宿泊地まで来ていた。ドーハは「カード社会」と聞いていたので、高をくくっていた。