【ブチャ(ウクライナ北部)=黒川信雄】ロシア軍の占領下で400人超の民間人の虐殺が発覚したウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊の街、ブチャ。その中で露軍の拠点が置かれ、露軍撤退後に40人超の遺体が集中的に発見されたのが「ヤブルンスカ通り」と呼ばれる幹線道路だ。同通り沿いに居住し、露軍による「ザチースチカ(浄化)」と呼ばれる占領手法下での生活を経験した2人の女性住民が、産経新聞に実態を語った。
放置された遺体
「ここには遺体が8日間も放置されていた。埋めたいと露軍兵に言ったが、墓地に埋葬することは許されず、『庭に埋めろ』といわれた。次第に庭は、穴だらけになった」。ヤブルンスカ通りに住むオリガさん(80)は、占領期間中のブチャの凄惨(せいさん)な様子を記者に語った。