「子ども達の笑顔が溢れる社会を」奈良小1女児殺害事件から18年、楓ちゃんの父親が手記

有山楓ちゃん(遺族提供)
有山楓ちゃん(遺族提供)

奈良市で平成16年、市立富雄北小学校1年の有山楓(かえで)ちゃん=当時(7)=が誘拐、殺害された事件は17日、発生から18年となる。楓ちゃんの父、茂樹さん(48)が現在の心境について、奈良県警を通じて手記を公表した。全文は次の通り。

楓が事件にあって18年が経ちます。

昨年末、初めて公の場で事件について話しました。楓との思い出、自分の中に閉じ込めていた感情等を話していると、改めて楓の存在、喪失感の大きさを感じました。17日も「いってきます。お仕事がんばってね」とメールを送ってくれ学校へ行った楓、いつも通りの生活が簡単に崩れさるなんて思いもしませんでした。友達と話すこと、大好きなダンスを踊ることも自転車やブランコに乗ることも出来なくなり、楓の嬉しそうに話す姿、笑顔を見ることがもう二度とできません。

そんな思いの私へ、楓は寂しがらないようにと沢山の出会いをプレゼントしてくれました。楓が被害にあった現実は変わることはありません。それでも多くの人が楓を知り、生きた7年間を覚えてくれていることが私たち家族にとって幸せなことなのだと感じます。

子ども達が被害にあわないよう、地域や学校、行政や警察の「かけがえのない命」を守る活動が継続されています。きっと楓も一緒に見守り活動に参加し、新たな出会いをしているのだろうと思います。子ども達の笑顔が溢れる社会を心から願います。

(表記は原文のまま)

昨年行われた父親の講演詳報

有山楓ちゃんの父親は昨年、奈良市内で講演し、「ダンスが大好きで夢と希望に満ちあふれていた楓の人生は一瞬で奪われた。楓が生きた7年間について知ってほしい」と語っていた。全3回で詳報する。

奈良小1女児殺害事件

平成16年11月17日、奈良市立富雄北小1年の有山楓ちゃんが下校中に行方不明となり、翌日、奈良県平群(へぐり)町で遺体が見つかった。奈良県警は同年12月、元新聞販売店員、小林薫元死刑囚を逮捕。奈良地裁が18年に死刑を言い渡した。弁護側の控訴を本人が取り下げ、刑が確定。25年2月に死刑が執行された。

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