紅葉狩りを楽しむ御誕生寺の猫たち 秋深まる福井県越前市の「猫寺」

落ち葉のカーペットに前足を揃えて“瞑想”する猫。この猫の名は「オオタクン」。参拝客の道案内も務める人気者だ。
落ち葉のカーペットに前足を揃えて“瞑想”する猫。この猫の名は「オオタクン」。参拝客の道案内も務める人気者だ。

暑い夏が終わり、ホッと一息。心地よい爽やかな風に目を細める一匹の猫の姿。ここは猫寺として知られる福井県越前市の御誕生寺。

平成14年、曹洞宗の修行道場として、現地に建立の工事中、段ボール箱に入れられた4匹の子猫が境内に捨てられていた。その後も心無い人間による「捨て猫」が後を絶たず、面倒をみているうちに猫はどんどん増えていった。エサ代や治療費もかさむようになってきた。

行儀良く並んでもぐもぐタイム。
行儀良く並んでもぐもぐタイム。

そこで寺では、当時副住職だった猪苗代昭順(しょうじゅん)さんのアイデアで、SNSなどを駆使し、全国の猫ファンに向けたメッセージの発信をスタートさせた。すると国内各地はもちろん、海外からも猫に会いたいという参拝者が急増。随時開催される「譲渡会」も好評で、寺で面倒を見ている猫の譲渡はもちろん、里親募集の橋渡しにも一役買っている。

晩秋、地面を染めた紅葉に囲まれて気持ちよさそう。
晩秋、地面を染めた紅葉に囲まれて気持ちよさそう。

猪苗代住職によると、近年は若いカップルの参拝が増えてきたという。目的は猫のみならず、御誕生寺が「人と猫とを結ぶ場所」という事から「縁結び」の願いを込めての参拝なのだそう。日々の修行に加え、猫の世話まで…大変なのでは? 若い修行僧に尋ねてみた。返答は「これが日常です。日々の修行の一部です」ときっぱり。

ある秋の日、境内のお気に入りの場所で、まるで紅葉狩りを楽しんでいるかのような猫を見つけた。カメラを向けた瞬間、モミジの葉が1枚、彼の鼻先に舞い落ちた。一瞬目を見開いたその表情に、思わず吹き出しそうになりながらシャッターを切った。(尾崎修二)

寺の境内に面した林が秋には鮮やかに彩られる。猫たちもまるで紅葉狩りを楽しんでいるかのよう。
寺の境内に面した林が秋には鮮やかに彩られる。猫たちもまるで紅葉狩りを楽しんでいるかのよう。


「猫どころ」カレンダー販売中

 産経新聞の「猫担当」、尾崎修二カメラマンが撮影した来年のカレンダーが完成しました(発行・産経新聞社)。表紙は三浦半島・城ヶ島の海辺で出会ったキジトラ。実は彼、磯料理の人気店の看板猫。他にも雪深い冬の山形で遊ぶ猫など、愛嬌たっぷりの猫たちを収録。

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>「猫どころ2023」カレンダー販売ページ(産経iD)


猫たちの食事風景。修行僧による雨樋を使った餌やりは「御誕生寺ファン」に人気だ。
猫たちの食事風景。修行僧による雨樋を使った餌やりは「御誕生寺ファン」に人気だ。


かつて御誕生寺の主役級の看板猫だった「レオ」。数年前に寿命を全うしたが
元気な頃は雪の日の散歩が大好きだった。かわいい「肉球スタンプ」に注目。
かつて御誕生寺の主役級の看板猫だった「レオ」。数年前に寿命を全うしたが 元気な頃は雪の日の散歩が大好きだった。かわいい「肉球スタンプ」に注目。


福井の冬は雪が多い。それでも猫たちには温かい寝床と食事があるから元気いっぱい。
福井の冬は雪が多い。それでも猫たちには温かい寝床と食事があるから元気いっぱい。


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