渋滞や信号待ちで車列をすり抜けるバイクの事故を防ごうと、大阪府警は10日、一斉取り締まりを実施した。特に事故が多い国道170号では府警航空隊のヘリコプター「おおわし」を投入。地上の白バイと連携して違反に目を光らせ、121件を摘発した。
府警交通指導課によると、バイクが絡む交通事故は今年に入って府内で4365件発生し、32人が死亡。3月には渋滞の列をすり抜けたバイクが転倒してトラックにひかれ、バイクの男性が死亡した。
高架上など白バイやパトカーの目が届きにくい場所での違反も多く、この日は上空にヘリを飛ばし、地上と連携しての取り締まりを実施。大阪府八尾市の国道170号では、ヘリから高架上での違反が確認されたライダーのヘルメットの色や服装を無線で聞き取り、待ち受けた白バイや青バイが摘発した。
約2時間の取り締まりで、割り込みや禁止区間での進路変更など交通反則切符(青切符)121件を交付。うち4件がヘリから確認した違反だった。例年、年末にかけて交通死亡事故が増加するといい、同課の田中和浩管理官は「バイクのすり抜けは重大事故に直結する。安全運転を心掛けてほしい」と呼び掛けていた。