パリの窓

豪華な競売

パリのフランス財務省で税関の押収品の競売があるというので、見学に行った。ブランド大国だけに、密輸品もゴージャス。シャネルやエルメスのバッグや靴、高級時計が会場にずらりと並んでいた。

中でも注目を集めたのは、ニシキヘビのウロコで覆われた紳士靴。イタリア老舗メーカーの特注品で、推定で70万円相当。香港からドバイ経由で密輸されたという。合計190カラットのダイヤモンド原石もあった。

競りは、ドイツの高級車フォルクスワーゲンでスタート。元の持ち主は麻薬密売人で今夏、スペイン国境で逮捕された際に押収された。5分もたたないうちに2万8000ユーロ(約400万円)で落札された。

会場は中古品売買のプロらしき男性の姿が目立ったが、ブランド品目当ての女性客も多い。隣の中年女性に話を聞くと、「クリスマスが近いから来たの」という。市販より格安とはいえ、押収品を贈り物にするのかと驚いた。まあ、モノに罪はないからね…。

税関競売は人気が高く、この日は、外国からのオンライン入札を含めて約6千人が参加した。全350品目で、売り上げは総額130万ユーロ(約2億円)。貴重な政府の財源になる。ちなみに、ニシキヘビの紳士靴は約1000ユーロ(約15万円)で落札されたとか。(三井美奈)

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