問われる「みなし公務員」の在り方 官民の人材行き来加速

2020年3月、東京で開かれた組織委員会の会合に参加した高橋治之容疑者(ロイター=共同)
2020年3月、東京で開かれた組織委員会の会合に参加した高橋治之容疑者(ロイター=共同)

東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、東京地検特捜部が大会組織委員会元理事の高橋治之被告(78)を受託収賄罪で起訴した根拠は、組織委理事を「みなし公務員」とするオリパラ特別措置法の規定だった。身分が時限的に「民」から「官」に移り変わった時期に受領した資金を賄賂と判断した形だが、官民の人材の行き来が加速する中、その在り方も問われそうだ。

みなし公務員は、職務に関して金品を受領することを禁じられている。高橋被告は平成26年6月に組織委理事となったが、スポーツを軸にしたコンサル会社の経営者としての本業と、組織委理事としての職務は重なり合う部分もあった。

ADKとは、理事就任前の25年7月からコモンズとの間でコンサル契約を締結。その後理事となり、契約は昨年末まで続いた。

契約には、みなし公務員ではない期間も含まれていたが、特捜部は五輪関連事業について相談があれば、コンサル契約が賄賂性を帯びると判断。受託収賄罪の公訴時効にかからないコンサル料名目の計約2700万円分を賄賂と認定した。

ある検察幹部は「みなし公務員となって以降も、民間人としての本業を継続していたことが事件の本質だ」と説明する。

関係者によると、高橋被告は贈賄側からコモンズに送金された資金は「正当な報酬」などと主張。資金の趣旨は公判で争点の一つとなりそうだ。

ある官僚OBは「最近は、みなし公務員とされる役職が敬遠され、なり手が見つからない事例が増えている」と明かし、今回の事件の影響を懸念する。

一方、別の検察幹部は「過去からの事業をいきなり切れというのは難しい」としつつ「法律ができた時点で、断ち切ってもらわないといけない」とも語った。

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